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より良い広告の背後にある脳:抱っこしたい可愛さを最大限に生かす

0 minute read | July 2014

大志はあるものの予算の少ない非営利法人にとって、その公共広告の一つ一つを最大限効果的で忘れ難いものにするのは必要不可欠です。これを成し遂げるべくニールセンとアド・カウンシルはシェルターペットプロジェクトという非営利法人(NPO)に対しコンシューマーニューロサイエンスを活用しました。このNPOでは、ペットを探している里親候補にまずシェルターを訪れてもらうことを目標に掲げています。

シェルターペットプロジェクトには既に強力な広告がありました。広告の人気者であるジュールズという犬が、総合効果で10点満点中6.8という、ニールセンの携わってきた数々の広告の中でもトップ40%以内に入るスコアを獲得していたのです。しかし、まだ改善の余地は残されていました。どのシーンが心に響いた/響かなかったのかを制作チームが秒単位で確認できるように、ニールセンはコンシューマーニューロサイエンスを活用して人々の脳が広告にどう反応したのかをグラフ化したのです。

脳波と視線追跡の併用により広告が視聴者に与える影響を測定し、チームは犬のジュールズの威力を効果的に数値化しました。顔(犬の顔も含む)が画面に映ると視聴者がグッと感情的に引き込まれる、とするこれまでの調査結果を証明し、また一方でジュールズが画面から消えると視聴者の注目度と感情関与度も下がることを明らかにしました。広告の最後にジュールズ、ブランドのロゴそしてウェブサイトのURLが同時に映ると、視聴者は注意を分散され混乱する、ということも分かりました。そこで、その視聴者の混乱を取り除き、公共広告の最後の部分で、(シェルターを訪れるという)行動の喚起(CTA: Call to Action)に注目させる、というのがチームの課題になったのです。

これらの調査結果を活用すべくチームは広告を再度編集し直し、ジュールズの映らない時間は短縮されエンディングには切れ味が出ました。チームが手直し後の広告をテストしたところ、視聴者は以前よりも継続的に引き込まれていることが分かりました。改善された広告は前よりも視聴者の注目を集め、よりはっきり思い出してもらえる様にもなりました。

“三方良し”の結果
2月の公共広告オンエア(launch)直後の3か月間ShelterPetProject.orgへのアクセスは133%も増加し、月平均アクセスは74,000人から174,000人へと伸びました。これはシェルターペットプロジェクトの命運を分ける変化であると言えるでしょう。ストーリーラインはそのままに、ジュールズの強力な存在を維持すること、そして中心となるメッセージとCTAを鮮明化することにより、シェルターペットプロジェクトは広告を改良しました。

このプロジェクトで明らかになったこと
・顔を見たとき、人は互いに――そして犬とも――根本的なレベルで心を通わせる
・感情は集中を妨げることがある
・求める結果を出すためには、感情とCTAとの最適なバランスを見つけることが肝要である

オリジナル英文記事

https://develop.nielsen.com/us/en/insights/news/2014/the-brains-behind-better-ads-optimizing-the-cute-and-cuddly.html

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