デジタル広告を“人”ベースでプランニング&効果測定できていますか?
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デジタル広告を“人”ベースでプランニング&効果測定できていますか?

Nielsen Digital takagi

新型コロナウイルスによって人々の生活は大きく変わり、同時に、ブランドとの関わり方も大きく変化しました。コロナ禍においては、企業が消費者に寄り添って、社会に対してどのような貢献ができるのかを消費者に伝える広告も多く見られました。また、日本においては近年SDGsがメディアで多く取り上げられ、消費者としても環境にやさしい生活や多様性を受け入れる意識などに対する関心が高まってきています。そのような状況を受けて、これからのアフターコロナの社会においては、企業の広告活動においても、今まで以上にブランドとして社会に貢献できるというメッセージを伝えていくことが求められると考えられます。

そのため、このような状況において広告の効果測定をしていく際には、消費者の態度変容を起こすことができたのか、ブランドリフト調査等で検証していくことに対する関心も高まってくるでしょう。しかし、広告の効果を計測する上では、どれだけ態度変容を起こすことができたのか、という視点に加えて、どれだけの人数に広告を届けることができたのかという視点も忘れてはいけません。エンゲージメントにフォーカスしていく場合であっても、何人に届ける必要があるのかという視点が抜けてしまうと、大きな失敗をする恐れがあります。そこで、今回のメルマガでは、デジタル広告において“人”ベースでリーチを計測することの重要性と、プランニングと効果測定においてリーチ指標を活用する方法をご紹介します。

エンゲージメントの高い広告は、届いた人数が少なくても良いのか?

広告の効果について考えるとき、リーチ「何人のターゲットに広告を届いたのか」、レゾナンス「どれだけターゲットの態度変容をおこせたか」、リアクション「どれだけターゲットに行動をおこさせたのか」という3つの視点で考えることができます。この考え方は非常にシンプルで、オフラインの広告でもデジタルの広告でも同様に使用することができます。どれだけの人数に広告が届いたのか、そして、そのうち何%の人が態度変容したのか、という掛け合わせによって、最終的なゴールであるリアクションの規模が決まってくるという関係です。つまり、極端な話、どれだけ消費者に共感してもらえる広告だとしても、10人や100人にしかリーチしていない場合は、結果としてのリアクションの規模は小さくなります。そのため、たとえ戦略がリーチよりもレゾナンスを重視するという方針に変更になったとしても、何人に広告を届ける必要があるのか目標を設定し、目標人数に届くメディアプランを立て、実際にその人数に広告が届いたのかを把握することが重要であることに変わりはありません。

では、実際にプランニングや効果測定のタイミングで、どのように“人”ベースのリーチ指標を活用していくとよいのか、それぞれのフェーズに分けて見ていきましょう。

プランニング

プランニングにおいてリーチ指標を考える場合は、キャンペーンの目的に合わせて「最終的なゴールであるリアクション」と「想定しているレゾナンス」の量から逆算する必要があります。仮に20-34歳女性の40%に新商品を認知させることを目標とする場合は、過去の経験等から広告を見た人のうち80%の人が商品を認知するとわかっていたとすると、20-34歳の全人口うち約50%の人に広告を見てもらう必要がある、という計算になります。

こうして、“人”ベースのリーチ目標が設定できた後に重要な点は、個々のメディアの配信規模を決めていく際にも“人”ベースの目標が達成できるように規模を決めていくことです。100万人にリーチするという目標があった場合、利用を検討しているメディアの視聴者総数が“人”ベースでみたときに80万人だとしたら、そのメディアだけでは目標を達成できません。使用するそれぞれのメディアを何人のターゲットが利用しているのかを正しく把握した上でメディアプランを設定していくことが重要です。

効果測定

続いて、効果測定においてリーチ指標を活用する方法としては、キャンペーンの途中で測定して改善していくケースと、キャンペーン終了後に測定して次回以降の改善に活用するケースがあります。ここでは、より高速でPDCAを回していくことを求められることが多いデジタル広告にあわせて、キャンペーン途中での改善にリーチ指標を活用する方法についてみてみましょう。過去の記事においても、キャンペーン途中でリーチを最大化するためのポイントについてご紹介していますが、今回は、キャンペーン途中に各メディアで1人にリーチするのにかかったコストを確認して、効率化を図っていく方法についてご紹介します。単純に考えると、キャンペーン途中で確認したリーチ獲得単価が最も安いメディアに対して、キャンペーンの後半は予算を多く配分すれば良いのではないかという判断になります。これは、キャンペーンの後半もリーチ獲得単価が変動しない場合は問題ありませんが、リーチ獲得単価が変動している場合では間違った判断となることがあります。なぜなら、一般的に広告を配信していく場合、横軸に時間、縦軸にリーチをとった場合、リーチカーブは時間の経過(配信数の増加)とともに、リーチ数の伸びは減少していきます(飽和状態)。ここでリーチ単価も同様に横軸に時間の経過(配信数の増加)をとって図にすると、リーチカーブとは逆に単価は上昇していきます。このとき、配信数は増えるのに獲得できるリーチ数が伸びないため、同じ人への配信が増えてフリークエンシーだけが増加していくような状況になっています。

そのため、キャンペーン途中でリーチ獲得単価を確認して効率化していく場合は、途中で確認した段階ではリーチ獲得単価が安くても、その後単価が急激に上昇していく可能性について、上の図のように曲線を描いた上で予測を行った上で判断する必要があります。こうしたリーチカーブやリーチ獲得単価カーブはメディアによっても、配信設定によっても異なってくるため、個別に正しく“人”ベースで把握した上で、横並びで比較することが重要になります。

最後に

キャンペーンの目的によって計測すべき指標は変化しますが、今回ご紹介した「何人に届いたのか」という“人”ベースのリーチ指標は、最終的なゴールを達成する上で必ず把握しなければならない値となります。媒体を評価しメディアプランを立てるときに、インプレッションやユーザー数、ダウンロード数など様々な指標が使用されることもありますが、“人”ベースでの正確なリーチを計測し、活用することが目標を達成する上で重要になります。