在宅勤務が推奨されているなか、就業環境がオフィスからより自宅などのプライベートな空間に変わったことによって、一部の消費者においてオーディオ・ストリーミングサービスを利用されていることがわかりました。
日中のサービス利用時間シェアが増加
オーディオ・ストリーミングサービスは近年、広告が表示され、無料で利用できるサービス（フリーミアムを含む）の利用者が大きく増加しています。利用者の数の多い上位2サービスであるradiko.jpとSpotifyを合わせると、スマートフォン利用者全体（18歳以上）の15％にあたる1,225人が利用しており、この2年間で50％以上増加しています（2018年7月時点776万人、58％増）。
オーディオ・ストリーミングサービスの利用シーンとしては、これまでは通勤などの移動中の利用がほとんどでしたが、最新のデータによると、日中の利用時間シェアが増加しています。
時間帯別の無料オーディオ・ビデオストリーミングサービスの利用時間シェアを見ると、利用時間が増加するタイミングに変化が起きています。2019年7月データでは、朝の8時と夕方の5時に利用が急上昇していたのが、2020年7月時点では、特定時間に利用が増加することなく、朝の8時から夕方の6時まで継続的に利用されるようになっていました（図表1）。
次に、就業状態別のアクティブリーチを見ると、フルタイムの就業者と学生のアクティブリーチが2019年と比べて増加していました（図表2）パートタイムや自営業と比べて、職場や学校から自宅などのプライベート空間での勤務、学習に移行した人が多いグループで利用が拡大している様子がうかがえます。19の第二波の影響により在宅勤務、学習の長期化に伴い、この新しい利用習慣も定着していくと推測されます。
利用シーンの拡大による広告配信の機会増加
景気動向が見通しの辛い時期におかれた消費者は、コストを重視する傾向がありますが、そのため、オーディオ・ストリーミングサービスは、フリーミアムまたは広告モデルのサービスの利用がさらに拡大していくと考えられ、広告主にとっては、コミュニケーションを取ることができる機会が増加していくことになります。
